ブログ 七転び八起き

司法書士試験合格までの9年間を綴ったブログです。

八回目で念願の司法書士試験合格

会社法における吸収合併の手続き

スポンサーリンク

 

今日は、先日に引き続き会社法の組織再編の中から、吸収合併の手続きについて

勉強していきます。

 

先日は、吸収合併の際の合併契約の内容(会社法749条)について勉強しました。

 

 1.吸収合併の手続き②「事前開示」

では、合併契約を定めた後はどうなるのでしょうか?

合併契約を定めた後は、「事前開示」という手続きが必要となります。

 

(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)

会社法第782条

①次の各号に掲げる株式会社(以下この目において、「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割、又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。

一吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約

 

かっこが多い~(T_T)汗

 

吸収合併消滅会社は、吸収合併契約の内容等を記載した書面等を、効力発生日まで本店に 備置きしなければなりません。

吸収合併消滅会社は、効力発生日になくなってしまうので、その日まででよいです。

 

吸収合併存続会社では、吸収合併の効力発生日後の6ヶ月経過時まで備え置かなければなりません。

こちらは会社法第794条に定められています。

 

株主や会社の債権者は、この書面を会社の営業時間中、いつでも閲覧をすることができます。(782条3項)

 

 

 

2.吸収合併の手続き③「株主総会の承認」

この後は株主総会の承認や、債権者異議手続きなど、しなければならない手続きがいくつかありますが、その先後は会社法においては定められていません。

 

なので、順番は変わってもよいようです。

 

今回は、まず株主総会の承認手続から勉強します。

 

吸収合併契約を定めたあと、原則として双方の株式会社において、株主総会の特別決議による合併契約書の承認を要します。(会社法783条1項、795条1項)

 

この株主総会による承認は、吸収合併の効力発生日の前日までに、受けなければなりません。

 

 

例外的に、株主総会の特別決議以外の承認が必要な場合もあります。

 

吸収合併消滅会社が、種類株式発行会社でない場合で、かつ、対価としてもらうものが持分の場合は、吸収合併消滅会社の株主全員の同意が必要です。(会社法783条2項)

 

対価が持分であるとはなんでしょうか?

株式とは、簡単に言うと、株主が株主として株式会社に対してもつ法律上の地位です。

同じように、持分とは社員が持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)に対してもつ法律上の地位です。

 

つまり、A株式会社がB株式会社と合併をし、吸収合併存続会社がB株式会社となる場合は、対価は株式やその他の財産になります。

しかし、A株式会社がB持分会社と合併をし、A株式会社が吸収合併消滅会社となりB持分会社が吸収合併存続会社となる場合は、対価が持分になる可能性もあるのです。

 

もしそうなった場合、A株式会社の株主は、吸収合併によりB持分会社の社員となるのですが、株式は譲渡しやすいのに比べ、持分は譲渡しにくいので、A株式会社の株主にとっては不利益となります。

社員の地位たる持分の譲渡には、他の社員全員の同意が必要となるからです。(会社法585条1項)

 

そこで、この場合には、A株式会社の株主の全員の同意が必要になる、と規定されています。

 

 

他にも、吸収合併消滅会社が、種類株式発行会社でなく、かつ、公開会社である場合に、対価が譲渡制限株式の場合は、株主総会の特殊決議が必要となります。(会社法309条3項2号)

 

どういうことかというと、例えば、A株式会社(公開会社)とB株式会社(非公開会社)の吸収合併において、B株式会社が吸収合併存続会社となるとどうなるでしょうか?

 

A株式会社の株主が、対価としてB株式会社の株式を受けたとします。すると、A株式会社の株主だったときには、自由に株を売買して利益を得ていたのに、吸収合併によってB株式会社の株式を代わりにもらったために、自由に株の売買ができなくなってしまいます。

 

譲渡制限株式とは、譲渡による株式の取得について、株式会社の承認を得なければならない株式のことです。

 

この場合も、A株式会社の株主は不利益を受けることになります。

株式の魅力は、やっぱり売買によって出た差額を、利益として得ることにあると思います。売買するのに、いちいち会社の承認を得ていたら、売り損なってしまいます。

 

 

つまり、A株式会社の株主であったときにはなかった制約を、吸収合併によってB株式会社の株式や持分を対価としてもらった為に、受けなければならなくなるとき、A株式会社の株主総会の決議要件が厳しくなるということなのです。

 

株主総会の決議は①普通決議②特別決議③特殊決議④総株主の同意の順番で厳しくなっていきます。

 

合併の対価が何であるかによって、吸収合併消滅会社の株主総会の決議の種類も変わってくるんですね!

 

 

・・・ということで、今日は吸収合併の手続きについて勉強しました!

なんか、会社法のこのあたりで私はいつも嫌気がさします(T_T)

難しいよ~!!

もし、間違っていたら、心優しいこの記事を読んでくださっている皆様、こっそり教えてください・・・!!細心の注意をしておりますが、若干不安です(。・・。)

 

 

では、明日も引き続き吸収合併頑張ります^^

 

では~!!