今日は、今月の22日の衆議院選挙と一緒に行われる「国民審査」の仕組みについてまとめてみました。
1.裁判所の組織とは
日本の裁判所は、最高裁判所とそれ以外の下級裁判所で構成されています。
下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所で構成されています。
2.最高裁判所の裁判官
最高裁判所の裁判官は、最高裁判所長官と、その他の裁判官によって構成されています。
その他の裁判所の裁判官と違うところは、任期がないことです。
他の裁判所の裁判官は10年の任期があります。
また、最高裁判所の裁判官は国民審査によって罷免されます。
今年は、7名の裁判官が国民審査を受けることになります。
3.国民審査の方法
国民審査は、最高裁判所裁判官が任命されて初めての総選挙のときに行われます。有権者が衆議院議員の投票をするとき、投票用紙と一緒に国民審査の用紙を渡されます。
そこには、今回なら7名の最高裁判所裁判官の名前が書いてあり、「裁判官としてふさわしくないと思うので、クビにすべきだ」と思う人に×印をつけます。
(このとき、×以外のことを書いてしまうと無効になるので注意しましょう。)
×の投票が、過半数を超える場合には、その裁判官の罷免が成立します。(憲法79条3項)
国民審査を受けてから10年経過して、最初の総選挙のときに、さらに審査を行い、その後も同様に行われます。
では、何を基準に審査すればよいのでしょう?
国民審査広報が先日届きました。
ここにそれぞれの最高裁判所裁判官の経歴と、関与した主要な裁判について書かれています。
4.最高裁判所の違憲審査権
最高裁判所の重要な役割として、わたしたちの基本的人権が、立法権(国会)や行政権(内閣)に侵害された場合に、これを救済することが挙げられます。
わたしたちの基本的人権を守るために、日本国憲法が制定されています。
もし、国会でこのような人権を侵害するような法律が通ってしまったら、それは「憲法違反」となります。
そのような法律は、無効になるのですが、それを現実に確保するために最高裁判所に違憲審査権が与えられています。
このように、国民審査は、既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい者かどうかを国民が審査する解職の制度であり、国民主権の観点から重要な意義を持つものです。
実際、判例などについて考えるのはなかなか難しいと思います。
裁判所のHPにも、それぞれの裁判官の信条などが記載されていますので、そちらもあわせて参考にされたらいかがでしょうか? 最高裁判所の裁判官
今日は、22日の国民審査についてまとめてみました!
お天気が悪くなりそうですが、私も投票&国民審査に行ってきたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました~!!
では、また~!!