今日は、商法の勉強をしてみたいと思います。
そのなかでも会社法をメインに勉強しようと思います。
お付き合いいただけると嬉しいです。
でも結構長いです。
(文章中の小文字の部分は、自分のメモ書きみたいなものです)
商法とは、企業等の営利活動に関する規則を定めた法律です。
商法は大きく、商法(商法典)と会社法・手形法・小切手法などに分けられます。
商法(商法典)は、更に商法総則と商行為から成り立っています。
会社法は、会社が生じて(設立)から消える(解散・清算)までのルールを定めています。
なんか、これだけでもごちゃごちゃしてるぞ~って感じですが、これからまとめてみたいと思います!
1.商法とは
商法は、企業に関する法律のことをいいます。
では、企業の定義とは何でしょうか?
それは、一定の計画に従い「継続的」な意図をもって営利行動を実現する独立の経済単位です。
では、なぜ企業に関する法律が必要になるのでしょうか?
2.商法の目的
会社法の目的は、企業の健全な秩序ある発展です。
これが難しいです。
「企業の発展」と「健全で秩序がある」というのは、バランスをとるのが難しいのです。
どうしても営利目的に走って、健全さや秩序を失ったケースというのも存在します。
どうすれば、健全に秩序ある会社経営を実現できるか、というところが重要になってきます。
商法には、様々な人達の利害関係を調整する為にルールが定められています。
具体的には、株式会社の株主、会社に債権を有する債権者、取引の相手方、会社自身、一般大衆といった人達について、利害がうまく調節されるようになっています。
特に、株主と会社債権者の利害調整のバランスが中心に考えてられています。
3.会社の概念
会社とは、具体的になんでしょうか?
会社法第三条 会社は法人とする。
では、法人って何でしょうか?
法人とは、民法の総則で出てきました。→こちら民法総則
自然人と法人は、権利の主体となれる権利能力を有するものです。
(ただし、人間である自然人と違って、若干権利能力は制限されます。)
では、法人である会社は人間と同じく、何でもすることができるのでしょうか?
民法第三四条
法人は、法令の規定に従い定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し義務を負う。
法人は、定款にどのような目的を持って設立されたかを記載しなければならないし、その記載した目的によって、制限を受けると考えられます。
なんでもできるわけではないのです。
定款とは、社団法人の組織活動の根本規則(つまり、会社のルール)のことを言います。
定款に記載される「目的」を、「不動産の売買および仲介」としているならばそれ以外はすることはできません。
もし「野菜の売買」を事業内容にしたいと思えば、定款を書き換えなければならないのです。
ほかにも、会社は法人性だけでなく、営利性や社団性といった性質を有しています。
4.自分の会社を作りたいと思ったら、どうすればいいのか?
では、早速会社を作ろう!と想像してみます^^
会社といっても、その形態は4つに分かれます。
会社法によると、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4つに分類されます。
これらは、社員の責任の様態、業務執行と会社代表、持分譲渡などがそれぞれ異なります。(社員といっても、従業員ではありません。出資者のことを指します。社員とは株式会社で言えば株主です。)
なるべく会社を大きくしたい、と考えるのであれば株式会社を設立します。
ただし、決算公告など手続きが決められおり、お金がかかります。
では、株式会社を設立する方法を見ていきます!^^
株式会社の設立の手順の概要
①定款の作成(規則)
②株主になるべき者の出資(財産)
③役員等との契約(会社の機関)
④本店の所在地における設立登記 ※本店の所在地は日本国内でないといけない。
5.定款の作成
先ほども出てきましたが、まずは、発起人が会社の定款を作る必要があります。
定款は、会社の基本ルールです。
会社を作ろうと思い立った人を発起人と言います。
発起人は、1人でもよいです。
たった1人でも会社って設立できるんですね!
では、条文を見てみます。
会社法 第二六条
①株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、または記名押印しなければならない。
定款は、発起人全員が署名することが必要です。
発起人とは、設立時株式を1株以上引き受ける将来の株主のこと。株の引受は口頭でも可能。員数についての定めはない。
募集設立において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面または電磁的記録に自己の氏名と株式会社の設立を賛助する旨を記載した者は発起人とみなされる。(103条4項)
発起人の資格制限はない。未成年者・法人・会社・地方公共団体・宗教法人・農協等でもよい。
発起人の権限は会社の設立自体に必要な行為のみ。開業準備行為は発起人の権限に含まれていない。原始定款に記載され、厳重な法定要件を満たした財産引受のみが例外的に許される開業準備行為である。(昭38.12.24)開業準備の効果は、設立後の会社に帰属しない。
会社成立前に名義を使用し事業をした者は、設立の登録免許税額に相当する過料に処する。
会社の成立前は、会社は事業をする能力が認められていない。よって、会社の成立前に発起人が会社の名義で事業をする事を防止するため、過料の規定がある。
発起人は会社の成立後に株主の地位を失ったときは、会社設立無効の訴えを提起することはできない。原告適格は設立する会社の株主等に限られ、発起人には認められていないからである。
①定款の絶対的記載事項
では、定款には何を記載しなければならないのでしょうか?
定款には絶対に記載しなければならない絶対的記載事項というのがあります。
記載されていない事項があると、定款そのものが無効になります。
では、条文を見てみます。
会社法 第二七条
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所
①目的とは、事業内容です。定款に記載された、目的の範囲内でのみ会社は権利能力を持つことができます。
②商号とは、会社の名称です。商号自由の原則によりどんな商号をつけてもよいです。ただし、株式会社の場合は、〇〇株式会社とか、株式会社△△とか、株式会社の文字を入れます。
他にも、本店地と、商号が同一である商号は、重複して登記できません。
③本店の所在地は本社の場所です。最低の行政区画まで定款で決めればよいです。日本国外は記載することはできません。
④設立に際して出資される財産の価額またはその最低額は、一円でも可能です。(最低資本金の制度は撤廃されました。 × 0円 × 同意書)
会社法においては設立に際して発行する株式の数の代わりに、設立に際して出資される財産の価額または最低額を定款の記載事項としており、その価額を満たしていれば、引受がない株式については失権させることとしている。
発起人が引き受けた設立時発行株式の全部につき失権が生じた結果、発起人が1株も権利を取得しなくなった場合には、当該金額を満たしていても、設立の無効事由となる。
ある発起人が設立時株式を1株も引き受けていないことも設立の無効事由となる。
⑤発起人の氏名・住所も記載します。(発起人が何株引き受けるかは記載しなくていい。実務では必ず記載する。)
②定款の相対的記載事項
絶対的記載事項ではないけれど、定款に規定しなければ効力を生じない事項のことを相対的記載事項といいます。
条文を見てみます。
会社法 第二八条
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。)
二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額ならびにその譲渡人の氏名又は名称
三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名または名称
四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く)
一の、金銭以外の財産の出資のことを現物出資といいます。
発起人以外の者は現物出資をすることができません。
通常、会社が設立された後に株を買うときは、金銭で購入すると思います。
設立時には、例外として発起人は現金以外の財産で株を買うことができるのです。
その場合に、対象財産・その価額・出資者の氏名・名称を記載します。
二は、財産引受けと呼ばれ、会社成立後に財産を譲り受けることを言います。
会社の設立の段階における、営業用財産の取得手段のひとつであります。
例外的に発起人が行うことのできる営業開始の準備行為となっています。
会社法は現物出資に関する事項を定款の相対的記載事項とし、原則として検査役による調査を要求している。
ところが、同じ営業用財産の取得であったとしても、「会社の成立を条件として」財産を譲り受ける契約を締結する財産引受は、形式的には株式会社に対する出資ではないため、現物出資に関する規定を直接適用することは困難である。
しかし、売買契約が発起人との合意によって締結されることから、これを放置したのでは、現物出資を規制した趣旨が潜脱されるおそれがある。そこで会社法は財産引受についても現物出資と同様の規制をかけている。
定款に記載のない財産引受は無効であり、会社成立後に株主総会の特別決議をもってこれを承認したとしても、有効となることはない。(最判昭28.12.3)
定款に記載のない財産引受は無効であり、この無効は会社だけでなく譲渡人も主張することができる。(最判昭28.12.3)
発起人は、これらの事項を定款に記載した場合は、裁判所に遅滞なく検査役の選任の申し立てをしなければなりません。
それは何故でしょうか?
例えば、会社設立後に株式を購入する場合はみんな金銭でしますね。
でも、発起人だけ設立時に現物出資をすることができる。
つまり1000万出すことはできないけど、1000万相当の外車なら手元にあるから、それを出資します、ということができます。
でも、もしこの外車が実は500万くらいの価値がなかったら、発起人は500万相当の外車で1000万分の株が買えるのです。
それって、後から金銭で株を買う人と比べて発起人のほうが有利です。
そういうのをきちんと調査するために、検査役がいるのです。
①発起人は裁判所に検査役の選任の申立てを行う。
②調査内容は変態設立事項の内容の相当性である。
(現物出資の給付の有無の調査はしない)
③検査役はその結果を裁判所に報告する。この場合「取締役の調査報告書・その附属書類」の添付は不要。
④裁判所が変態設立事項を不当と判断した場合、変態設立事項の変更を決定しなければならない。発起人は決定確定後の1週間以内に、株式の引受に係る意思表示を取消すことができる。発起人全員の同意で「変態設立事項を廃止する」定款変更決議をすることができる。
ただし、例外的に現物出資・財産引受の目的財産については検査役選任の検査が不要となる場合があります。
①定款に記載された目的財産の価額の総額が500万円を超えないとき。
②現物出資等の目的財産が市場価格ある有価証券であり、その価格が会施規6条の算定方法による価格を超えないとき。
会施規6条
いずれかの高い額を有価証券の価額とした場合
①定款認証の日における最終取引価格
②定款認証の日に公開買付け等の対象となっている場合その契約上の価格
③現物出資等の目的財産の価額が相当であるにつき、弁護士・公認会計士・税理士(法人)のいずれかの証明を受けたとき。
不動産の場合は不動産鑑定士の証明が必要です。
弁護士等の証明書が真正に成立したこと・作成者の資格を証明するための印鑑証明・資格証明は添付不要。(平14.12.27)
登記申請時の添付書面
(検査役の調査を要しない場合の変態設立事項に関する添付書面)
①※設立時取締役の調査報告書
(現物出資の給付があったことの調査も要する。財産引継書の添付)
②現物出資・財産引受の目的財産の定款に記載された価額の総額が500万円を超えないときは他に添付書面はない。
③現物出資等の目的財産が「市場価格ある有価証券」で、その価格が会施規6条の算定方法による価格を超えないときは※市場価格を証する書面
④現物出資等の目的財産の価額が相当であることにつき、弁護士・公認会計士・税理士の証明を受けたときは※弁護士等の証明書及びその附属書類
③定款の公証人による認証
定款を作成し、発起人全員が定款に署名または記名押印し、最後に公証人による認証を受けます。(書面の場合は印紙代 4万円 / 電磁的記録の場合は印紙代不要 )
株式会社の定款は公証人の認証をうけなければ、その効力を有しません。
定款の内容を明確にして、後日の紛争および不正を防止する趣旨です。
ただし、設立しようとする会社が持分会社の場合は、公証人の認証は不要である。
原始定款の内容を変更する場合は、発起設立の場合は公証人に再認証してもらう必要があります。
ただし、例外的に、公証人の再認証が必要のない場合もあります。(会社法30条)
公証人の再認証が不要な原始定款の変更(30条)
①裁判所による変態設立事項の変更
②上記ケースで発起人が株式の引受を取消した場合にする変態設立事項の廃止
③発行可能株式総数の規定の設定と変更
④創立総会決議による定款変更 (募集設立の場合のみ)
募集設立における②③は、設立時募集株式の払い込み期日以後は、設立時募集株主を含む創立総会にて定款変更が可能となる。
・・・・ということで、ここまで、株式会社を設立しようと思ったら、定款を作って公証人に認証してもらう手続きがありますよ!というお話でした~!!!
あぁ。また色々忘れてる・・・!!!w
お付き合いいただきありがとうございました!
次回も引き続き会社の設立について、まとめてみたいと思います!!
では、また~!!