今日は、脳内伝物質がどのような働きをしているかを勉強します。
読んでいるのはこの本です。

無気力なのにはワケがある 心理学が導く克服のヒント (NHK出版新書)
- 作者: 大芦治
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: Kindle版
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うつ病患者の脳内はどうなっているの?
今日、医療機関でうつ病と診断されたとき、まず最初に処方されるのは、うつ症状を改善させるための薬(抗うつ薬)である。たいていの場合、「これを飲んでしばらく様子を見ましょう」と言われ、心理療法やカウンセリングは後になることも多い。というのも、うつ病の多くは何らかの脳内の生理的な変化によって起こるものであるから、薬理作用によって その変化を改善させ、快方に向かわせることができるためだ。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
抑うつ状態にあるとき、わたしたちの脳内はどのように変化しているのだろう?
有名な脳内伝達物質では、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなどがあります。
ドーパミン・アドレナリンはやる気が高まる物質です。
セロトニンは幸せホルモンでしたよね。
セロトニンも、ノルアドレナリンも、減少してもいけないし、増えすぎてもいけません。
まずは、ノルアドレナリンの影響をみてみましょう。
一般に、ノルアドレナリンは、外からの脅威にさらされ、ストレスを感じたときに放出される。生体を目覚めさせ、ストレスに対処するためであろう。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
ノルアドレナリンは副腎で作られ血液に放出されるホルモンです。
たとえば、ライオンに狙われているシマウマは、ノルアドレナリンが大放出されます。
交感神経が活発になり、心拍数があがり、筋肉が動く。
いわゆる火事場の馬鹿力を発揮できる状態です。
人間に例えてみます。
職場で、例えば上司からパワハラにあったとしましょう。
上司は理不尽なライオンです。
いつ叱られるかわからない。
シマウマの部下は、知らず知らずのうちにノルアドレナリンを放出させています。
これが長時間続くとどうなるか?
これらのストレスの許容量を超えると、副腎が疲れ果てて、コルチゾールが増加し、その後はコルチゾールの濃度を適度に保つことができなくなるので、ストレスに対応できなくなる。
その後、抑うつ状態に陥り、仕事ができない状況に陥ります。
その後に回復しようと思ったら、原因を取り除き、生理的な変化を薬物によって改善させる必要があるのかもしれません。
これは以前読んだことのある本です。↓

医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!
- 作者: ジェームズ・L.ウィルソン,本間龍介,James L. Wilson,本間良子
- 出版社/メーカー: 中央アート出版社
- 発売日: 2011/05/06
- メディア: 単行本
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交感神経が活発な状態が長く続くのは、副腎疲労を招くおそれがあるということですね!
燃え尽き症候群はここに分類されそうです。
つまり、コントロール不可能な事態の経験は、課題の成績低下を招くだけでなく、うつ病の背後にあると思われる脳内の生理的変化と同じ現象をも引き起こしていたのである。こうして、ノルアドレナリンを手がかりにした場合、学習性無力感がうつ病のモデルとなり得る可能性が確認された。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
ドーパミンについてみてみましょう。
ドーパミンは、アドレナリンの前駆体です。
わたしはその前駆体である、チロシンを時々摂取します。
勉強のやる気が出ないときなどに。
なんでも、現在このようなサプリメントは、スマドラ(スマートドラッグ Smartdrugs)と呼ばれるとか。
効果は、個人差があると思いますが、夜摂取すると眠れなくなります。
スマドラの国内での中高生の依存性が問題視され、一部で規制されるというニュースが6月にありました。
ドラッグって名前がいけません。
記憶力が良くなる栄養素でいいやん、と思いますけど。
では、セロトニンとうつ病の関係はどうなのか?
セロトニンについてもたくさんの実験が行われているが、その多くは、専門外の者にとって必ずしも理解しやすいものではない。たとえば、セロトニンを受け取る受容体にしても一〇種類以上が存在する。その働きもすこしずつ異なるし、作用する薬もさまざまである。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
・・・たしかに、あんまり読んでも意味がわからない難しいことが多いです^^;
でも、抗うつ薬にはSSRIのパキシルやジェイゾロフトが承認されていますし、明らかに関連はありますが、詳しいことは難しいということで割愛しますw
と、ここまでは、脳内伝達物質をみてみました。
コントロール不可能を体験しても、無気力になりにくい人もいる
「無気力なのにはワケがある」の第五章では、上記のような人間の脳内での変化が生じたとしても、心理学の観点から、無気力になりやすい人、なりにくい人という個人差が生じることについて、検討しています。
下記はワイナーの原因帰属理論です。個人差はここから生じます。
内的 | 外的 | |
持続的 | 能力 | 課題の困難度 |
一時的 | 努力 | 運 |
例えば上の表をみて、自分が試験に落ちた結果をどのように捉えるか分類します。
①最もネガティブな内的・持続的の組み合わせ
↓
わたしにはやっぱり試験に合格する「能力」がなかったんだ。
②最もポジティブな外的・一時的の組み合わせ
↓
今回は「運」が悪かっただけだよ!
「コントロール不可能」な状況に遭遇しても、上記のように、個人がどのように捉えるかによって、うつ状態になるかならないかが変化します。
さらに、今回の試験が駄目だっただけでなく、試験も駄目だったから、就職も駄目だろうという全体的な方向にも原因帰属させると、うつ病まっしぐらです。
帰属スタイルとは、その人のもともとの性格傾向であり、素質と呼ぶことができるかもしれない。素質というと、何か遺伝的に決まったものという印象を与えるが、そこまでの意味はない。一言で言えば、うつ病になりやすい下地という程度のものである。また、コントロール不可能な不快な出来事とは、端的にストレスと言えるものである。したがってうつ病とは、素質にストレスが加わり、頭の中で悲観的な情報処理が行われた結果、発症するものと言うことができる。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
じゃあ、一体どうすればいいのか?
結局、無気力にならないためにはどうすればいいのか?
なおたろうが、まとめてみました。
アドラーの本を読んで今、実行しているのは以下の2つです。
①昨日の自分より、今日の自分が成長していると実感すること
②人のために、貢献できることに喜びを感じること
さらに、この本を読んで実行してみたいのは以下の4つです。
①遂行目標より、学習目標を大切にする。
(これは、アドラーと一緒ですね。)
学習目標を持つ人は、学習によって自分の知識を増やし、深め、技能や見識を高めることをそのものを目標とする。
学習することをそのものを楽しむ、ということです。
②少しだけ不快な場面を経験しておく。
ストレスになる場面を自分で切り抜けたという経験が、自身となり、学習性無力感に陥りにくい傾向をつくってくれるからだ。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
③能力はいつでも伸ばすことができると考える。
頑張れば、必ず伸ばすことができる。
年齢なんて、関係ないって思おう。
④楽観的に原因を考える。
上の図でいうと、「まぁ、試験が難しいのもあるけど、努力が足らんかったね」とか「まぁ、試験が難しかったし、今回は運が悪かったとよ」って言う。
間違っても、「わたしにはやっぱり能力が足りない・・・」とは言わない。
でも、対人関係になると「あいつが悪いんだ」と思う反面、そうさせた自分も悪い、と自責の念に駆られます。
だから、対人関係はしんどいし、あまり人と関わりたくないと思う。
でも決めました。
鬱になるよりましだもん。
「ごめんね☆」と表面的に謝っても、心の中では
お前が悪い
と思うことにします。
えへへ
また~!!