前回、アドラー心理学より、なぜ無気力になるのかを探ってみましたが、今回は科学的な方面よりその原因を探ってみようと思います。
無気力なのにはワケがある
なぜかやる気がでない・・・
その理由はアドラー心理学では、「他人と比較している」から、もしくは「他人の目を気にして行動している」から、ということが挙げられます。
じゃあ、実際に実験した結果から検討してみよう!ということで、科学分野から、無気力の原因をみていきたいと思います!
目次
第一章 無気力は学習される
第二章 無気力なのにはワケがある
第三章 無気力が健康を害する
第四章 無気力がうつ病を招く
第五章 うつ病の心理学
第六章 目標とやる気の不思議な関係
第七章 無気力にならないために
第一章 無気力は学習される
この章では動物実験による無気力の研究がされています。
パブロフの犬の「古典的条件づけ」と、「オペラント条件づけ」について実験の内容が記載されています。
犬好きのわたしにとって、この実験の内容はなかなか辛い気持ちにさせるものでした。
あんまり感情移入するのやめようw
クールに読もう。
そこで、以下のことがわかりました。
不快な刺激を止めることができない状況に置かれたイヌは、「自分の力ではどうすることもできない」と考えるようになる。「自分の力ではどうすることもできない」こと、これをコントロール不可能性と呼ぶ。第二グループのイヌは、このコントロール不可能性を学習して意欲を失ってしまい、無気力に陥った。セリグマンらは、この現象を、無気力を学習してしまった状態という意味で学習性無力感(learned helplessness)と名づけた。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
よくありますよね。
スケジュールギリギリで働いていて、予定外の仕事がなだれ込んでくる。
「え!? このあと、あれやって、これやって、これするつもりだったのに」
という状態。
でも、下手に断れない状況。要するにコントロールできない状況です。
自分の力ではどうすることもできない。
裁量不可の状態が一番やる気をなくすんだ。
第二章 無気力なのにはワケがある
第二章では、上記の実験結果に対する「批判」とその「反証」が述べられていますが
他にも、報酬を与えることで却ってやる気をなくしてしまう場合を挙げています。
いわゆる「外的な動機づけ」ですね。
報酬を与えるということは、心の内側から湧き上がる動機ではありません。
これ以前の記事でも取り上げました。→こちら 今注目のモンテッソーリ教育とは?
近頃は「指示待ち族」などという言葉もあるようだが、たいていの人は、自分でできることまで他人に指示されたくないものだ。「自分の行動は自分が決めている」という気持ちは、やりがいや面白さにつながっているのである。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
こういうのを読むと思います。
下手に会社で、インセンティブ制にしない方がいいのかもしれない。
むしろ、自分の裁量に任せてくれる、信頼できる上司に恵まれるのが、一番仕事のやる気アップにつながると思うんだけどな~
実際、歩合制の仕事では、モチベーションは上がりませんでした。
達成できればラッキーぐらいな感じです。
この章ではさらに、「予測不能である」ことも、コントロール不可能であることと同様に学習性無力感を引き起こす主要因になることが挙げられています。
第三章 無気力が健康を害する
第三章では「無気力が健康に与える影響」です。
コントロール不可能な状況に置かれると、深刻な胃潰瘍を発症する可能性があります。
つまり、胃潰瘍ができる確率こと回避条件と連動条件であまり差がなかったが、その症状は連動条件の方がより深刻だったのだ。
先ほども言及したように、連動条件とは、コントロール不可能な状況に置かれる条件である。
出典元 大芦治『無気力なのにはワケがある』
しかもね、胃潰瘍だけでなく、ガンの進行を早めたり、免疫系の病気になったりする可能性も挙げられていて、超怖いです。
コントロール不可能な状況が、わたしはめちゃめちゃ苦手です。
イライラするし、すぐ不安になるし・・・
できることをなんでもいいからやらなきゃ!となるのは、どうにかしてコントロールしたい気持ちの表れだったんですね^^;
あ、でも、結局、人間は生死さえも、自分でコントロールできないのだから、もっと気を楽に持たなきゃ。
と一時期悟りに近い心境になったんですがねぇ。
最近それをまた忘れかけてました。
うーん、じゃあどうすりゃいいのか、中編に続きます!
つづきを読む: 無気力の原因を探ってみよう!【中編】