今日は、高校生の時に読んだ大平光代さんの「だから、あなたも生きぬいて」の感想を書きたいと思いました。
再度読んでみましたが、やっぱり、学生時代にこの本を読んでいてよかったと思いました。
辛いことがあっても、読めば勇気をくれる本
作者の大平光代さんは、中学生の頃に卑劣ないじめにあい、割腹自殺を図ったものの、一命を取り留めるという壮絶な過去があります。
自殺未遂後も、いじめはなくならない。
自殺未遂をからかうようなクラスメイトや家族とのすれ違いに失望した大平さんは非行に走り、極道の妻になります。
しかし、その後、運命的な出会いを果たし、中卒という学歴ながら猛勉強の末に弁護士になりました。(しかも一発合格という)
この方は、やっぱり、かなり根性が据わっているんだろうな、というのが正直な感想です。
中途半端に妥協できない、とことん突き詰めて考える故に、小さい頃は大変な思いをしたんじゃないかなぁ・・・
けれど、本当に死んでしまわなくてよかったと思いました。
理解者がそばにいることの大切さ
この本を読んで、わたしも学生の頃を思い出しました。
思春期の頃って、大人から見たら「なんでそんなことを気にするんだ?」っていうようなことに過剰に反応してしまう時期でした。
でも、その頃の自分にとっては、一番長く過ごすのは学校だったし、生まれて初めての社会だったんですね。
だから、ウェートはすごく大きかった。
高校では、価値観の近い友達がいたから楽しかったけど、中学までは結構、学生生活が苦痛でした。
辛い心情を、誰にもわかってもらえないのは一番孤独です。
実際、著者の両親は世間体を気にした、という表現があるけど、思春期の子供は不安を感じやすい。
両親からしてみれば、そんなつもりじゃなかった、ということかもしれないと思います。
そういえば、これも以前テレビで見た話なのですが、思春期の子供がキレやすいのは脳の仕組みらしいです。
詳しいことは忘れてしまいましたが、思春期の脳は、環境の変化の影響を強く受けてしまう仕組みになっているとか。
母ちゃんが、「あんた、ちょっとご飯たべなさい」といつもより声のトーンを低くして話しただけで、子供がブチ切れてました(笑)
つまり、非常に他人の感情に敏感になってしまうのは、脳の働きで致し方ないこと、だったのです。
じゃあ、自分の子供が思春期を迎えたら、特に自分にも精神的余裕が必要だな~と思いました。
ガミガミ言っちゃ、いけないんだ。
でも、この本の後半で、著者が後に養父となる男性と偶然再会し、立ち直っていく様子は、読んでいて勇気がもらえるものでした。
その後、著者が両親と関係を回復し、弁護士として非行少年のために奔走する姿で締めくくられています。
辛いことがあっても、諦めてはいけない、という力強いメッセージが染みました。
最後に、養父となった大平さんが、著者に贈った言葉をご紹介します!
今から十一年前、もう一度人生をやり直そうとした私に、大平さんはある言葉を贈ってくれた。
今こそ出発点
人生とは毎日が訓練である
わたくし自身の訓練の場である
失敗もできる訓練の場である
生きているを喜ぶ訓練の場である
今この幸せを喜ぶこともなく
いつどこで幸せになれるか
この喜びをもとに全力で進めよう
わたくし自信の将来は
今この瞬間ここにある
今ここで頑張らずにいつ頑張る
京都大仙院 尾関宗園
出典元 大平光代『だから、あなたも生きぬいて』
思春期のお子さんにも読んでもらいたい一冊です!
ではまた~!!!