民法の親族法の勉強③【婚姻の解消】

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こんにちは。

なおたろうです。

 

今日は民法の親族法より「婚姻の解消」について勉強したいと思います!

 

 

 

1.婚姻の解消

結婚を、民法では「婚姻」といいますが、それを解消するのは、「夫婦の一方の死亡」の場合と「離婚」の場合と2パターンとなります。

前回勉強した「婚姻の取消し」と「婚姻の解消」は別のものです。 → 「婚姻の取消し」

 

離婚のイラスト

 

婚姻の解消 ・・・・後発的事由に基づく(後から生じた事由によって解消したい場合)   

婚姻の取消し・・・・原始的瑕疵に基づく(詐欺・強迫などによってした婚姻を解消したい場合)

 

 

 

 

2.「夫婦の一方の死亡」による婚姻の解消

 

夫婦のどちらかが死亡した場合は、婚姻は当然に解消されることになります。

悲しいですね。あんまり想像したくないです。

 

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3.「離婚」による婚姻の解消

離婚する方法には順番があります。

まず、2人の「協議」によって、離婚を試みます。

 

それがダメなときには、当事者双方から意見を聞いて、家庭裁判所にまとめてもらう「調停」に入ります。

 

調停でもまとまらなかったときに、裁判所の「審判」で解決を図りますが、それでもダメなとき、最後にでてくるのが判決による「裁判離婚」です。

 

このような流れを調停前置主義と言います。

 

 

①協議離婚

協議離婚とは、当事者同士に離婚する意思があり、離婚届を提出すれば成立します。

離婚届のイラスト

 

ただし、未成年の子供がいる場合は、親権者を決めなければなりません。

親権者を定めて、離婚届に記載しなければ、離婚届は受理されません。

 

 

父母が協議離婚をする場合、その協議で一方を親権者と定めなければならない。そして、親権者の指定は離婚届出受理の審査の対象とされ、届出には親権者の氏名を記載しなければならないことから、協議離婚の届出に際しては親権者の氏名 を記載しなければならず、定めのない届出は受理されない。(昭25.1.30

 

 

無効な離婚の届出がされた場合でも、その後、当事者の離婚意思が合致した場合には、当事者の明示または黙示の意思表示によってその届出を有効なものとすることができる。(最判昭42.12.8

 

 

協議離婚は離婚意思の合致により成立する。そしてここにいう離婚の意思は、離婚の届出に向けられた意思で足り、婚姻の実体を解消する意思までは必要ない。(最判昭38.11.28離婚の場合に届出に向けられた意思があるときは、その後は内縁関係にとどめ、婚姻を解消する意志と認められるからである。生活保護の給付を受ける為の方便として、協議離婚の届出をした場合であっても、当事者が法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてしたものである以上、その協議離婚は有効である。(最判昭57.3.26

 

 

 

 

例えば夫に強迫されて、妻が本心ではないのに離婚届に押印してしまった場合はどうなるのでしょうか?

 

その場合、家庭裁判所に請求して、離婚を取り消すことができます。

取消した場合は、離婚はなかったことになり、婚姻を継続していたことになります。

 

 

 

②裁判離婚

 

陪審員と裁判官のイラスト

協議や裁判所の審判で、離婚が成立しない場合は、「離婚の訴え」を提起することができます。

しかし、そのためには、離婚原因として条文で定められている原因がなければいけません。

 

では、条文をみてみましょう。

 

 

民法七七〇条

①夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

②裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合でも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

 

不貞な行為とは、不倫などを行うことです。

 

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不貞行為とは、夫婦の貞操義務違反に当たる行為なので、不倫以外にも強姦行為も不貞行為に当たります。

なので、夫が女性を強姦するという犯罪を犯した場合に協議離婚に応じない場合は、裁判で離婚することも可能ということですね。

 

悪意の遺棄とは、少しわかりづらいですが、「故意」で同居・協力・扶助義務違反に当たる行為をすることです。

 

婚姻を継続し難い重大な事由の存在とは、暴行、DV、重大な侮辱や浪費癖、極端な性格の不一致などです。

 

 

有責配偶者からの離婚請求は認められないとするのが従来の判例であったが、最高裁は昭和6292日の大法廷判決で判例を変更し、長期別居 夫婦間に未成熟の子が存在しない相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況に置かれる等、離婚請求を容認することが著しく社会正義に反するというような特段の事情が認められない場合には、有責配偶者からの離婚請求であるという一事をもって許されないとすることはできないとし、有責配偶者からの離婚請求を認めた。(最判平6.2.8)

 

離婚の届出は法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。ただし、これが誤って受理されたときであっても、離婚はそのためにその効力を妨げられない。

 

 

③離婚判決の効力

 

裁判所が離婚を認める判決をすると、その判決の確定時に直ちに離婚が成立します。

 

これは、形成判決というもので、後に離婚届を提出することも必要なのですが、これは報告的な届出になるため、この届出により効力を生じるものではありません。

 

あくまでも、裁判の判決確定時に離婚成立となります。

 

 

 

4.婚姻解消の効果

 

これまで、「結婚したものの配偶者が死んでしまったため婚姻解消となった」もしくは、「離婚によって婚姻が解消となった」場合について見てきましたが、どちらの場合も、「婚姻解消の効果」が発生します。

 

「配偶者が亡くなってしまったことによって生じる効果」と、「離婚によって生じる効果」の違いはどのようなものがあるのかみてみましょう。

 

 

①姻族関係の終了

姻族関係の終了とは、結婚相手の家族と、親族関係を終了することです。

 

離婚した場合、結婚相手の家族との姻族関係は当然に終了となります。

 

しかし、結婚相手が死んでしまった場合は、「結婚相手の家族との関係を終了します」と意思表示しない限り、姻族関係は続きます。

 

 

お年寄りの手を取る女性のイラスト

 

 

 

②氏が変わる

離婚の場合は、当然に婚姻前の氏に戻ります。

しかし、離婚の日から三ヶ月以内に届け出ることによって、結婚していた時の氏を使うようにすることができます。

 

配偶者が死んでしまった場合は、そのままの名字でいることもできるし、婚姻前の氏に戻すこともできます。

 

氏を戻すことと、①の姻族関係を終了するかどうかは別個の問題であり、連動するわけではありません。

 

 

③親権・監護権

未成年者の子供がいる場合、協議離婚の際にはどちらか一方を親権者に決定しなければなりません。

 

手を上げている男の子のイラスト

 

裁判離婚の場合には、裁判所が判決の中で父母の一方を親権者と定めます。

 

親権は親子の関係から生ずる権利です。

 

離婚の際に一方を親権者として定めた場合でも、他方は親権が失われるだけで、親子関係が終了するわけではなく、親子間の扶養義務も消滅しないことに注意が必要です。

 

また、配偶者が死亡した場合は残りの一方が当然に単独親権者となります。

 

 

 

 

 

 

④財産上の効果

配偶者が亡くなってしまった場合は、相続人として遺産を承継することになります。

 

離婚の場合は、夫婦の一方は他方に対して、財産の分与を請求することができます。

この額は、協議により定めますが、協議が調わないときは、家庭裁判所に協議に変わる審判を請求することができます。

 

 

 

離婚した夫婦の一方が婚姻費用を過当に負担していた場合であっても、裁判所は、婚姻費用の清算のための給付を財産分与に含めることができる。(最判昭53.11.14

 

 

夫婦の一方の有責行為によって離婚を余儀なくされ、精神的苦痛を被ったことを理由とする損害賠償請求権は、財産分与請求権とは異なるが、裁判所は当該損害賠償のための給付を財産分与に含めることができる。(最判昭46.7.23

 

 

分与者が債務超過であるという一事によって、相手方に対する財産分与を全て否定するのは相当でないが、その額が7683項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情がある時は、当該財産分与は詐害行為取消権の対象となりうる。(最判昭58.12.19

 

 

協議あるいは審判等によって具体的内容が形成される前の財産分与請求権を保全するために債権者代位権を行使することは許されない。(最判昭55.7.11

 

 

 

 

 

 以上、離婚についてまとめてみました!

 

お付き合いいただきありがとうございます( ^ω^ )