民法総則の勉強①【権利の主体】

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こんにちは!

なおたろうです。

 

今日は民法について勉強します。たぶん、一番最初に勉強する法律ではないでしょうか。 

民法とは、個人間の関係を調整する法律です。1044条まであります。

 

民法は、大きく分けて「財産法」と「家族法」に分けられます。

 

所有・売買・賃貸借などの財産関係を規律する財産法と、夫婦・親子・兄弟などの身分関係を規律する家族法です。

 

 

 

1.「私的自治の原則」と「契約自由の原則」とは

 

握手をしているビジネスマン・サラリーマンのイラスト

わたしたちの社会において、経済活動は、特に制約を受けることなく自由にすることができます。

 

私的自治とはどういう意味でしょうか?

それは、私人同士の取引や経済活動は、お互いの話し合いや合意でどのような内容のものであれ自由になし得るのが原則であるということです。

 

「こういう契約をしましょう」と、当事者同士が納得すれば、どんな内容の契約だってできます。

 

※でも、殺人を依頼する契約とか、愛人契約とか公序良俗に違反する契約はできません(;´・ω・)

民法90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とする。

 

 

「契約内容は原則自由ですが、愛人契約はダメ」というような、当事者の特約をもっても排除できない最低限のルールを強行規定といいます。

公の秩序が関わってくるので、制限されます。

 

 

では、契約は自由なはずなのに、なぜ民法というものが存在するのでしょうか?

 

それは、市民が法律関係を意識しないままトラブルになってしまった場合に、補充的に使用して、トラブルを解決するために存在するのです。

 

  

 

 

2.民法で、法律関係の主体となれるのは?

 

民法で法律関係の主体となれる地位・資格のことを権利能力といいます。

権利能力を有するのは自然人と法人です。

 

例えば、「愛犬に、100万円贈与する」ということは不可能です。

「愛犬の世話をしてくれるAさんに、100万円贈与する」ということなら可能です。

 

秋田犬のイラスト

 

 

①自然人(出生の時から死亡の時)

すべての人は権利の主体になります。

 

民法3条

①私権の享有は、出生に始まる。

②外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

 

胎児はまだ出生していないので、権利能力はありません。

権利の主体にはなれないのです。

 

では、条文の「出生」とはいつのことでしょうか?

細かいですが、頭など一部が出たとき?それとも全体が出たとき??

 

通説では、胎児が母体から全部露出したときが、出生の時と考えられます。

 

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胎児にも権利能力が認められる例外規定があります。

それは以下の3つです。 

 

①不法行為に基づく損害賠償   ②相続   ③遺贈

 

なぜそのような例外があるのか?

それは、近い将来生まれてくることが予想されているのに、以下の権利を否定すると不平等が生まれる可能性があるからです。

 

もうすぐ生まれてくるから、上の3つの場合には例外的に権利能力を認めてあげるよ。ということなのです。これをどう説明するのか?

 

 

判例では、停止条件説になります。

「胎児には権利能力がなく、生きて生まれたら、不法行為や相続が生じた時点に遡って権利能力を取得する」と説明します。

 

 

民法上、胎児の法定代理人に関する規定はありません。

(反対の解除条件説であれば、胎児にも法定代理人が存在することができます。)

 

また、死産の場合は、上記の例外規定の場合にも胎児に権利能力は認められません。      

 

 

 

②法人(会社など)

 広告代理店の建物のイラスト

 

団体があたかも自然人のように自らの名において契約者の当事者となり、構成員とはまったく独立に自分の財産を所有する方が便利だから、その団体に、それが1人の人であるかの様に権利能力を認めました。 

 

なので、「ここは〇〇株式会社が所有する土地です」といえるわけです。

 

  

 

3.意思能力とは?

 

意思能力とは、自己の行為の結果を弁識するに足りるだけの精神能力のことです。

意思能力のない者の、法律行為は無効です。

 

7歳くらいから、意思能力が認められます。

就学前の幼児や、泥酔した人、高度の精神病者や、意思の自由を欠くほどに強迫された人は、意思能力を有しないので、その承諾(法律行為)は効力を生じません。

 

これらの人は、権利能力は有するけど、意思能力がありません。

よって、法律行為を行う場合は、代理人によって行う必要があります。

 

 

 

4.制限行為能力制度とは?

 

判断能力の劣っている人のカテゴリーを作成することで定型化・明確化し、保護者を付して能力不足を補わせ、法律行為が円滑になされるとともに、保護者の権限を無視した行為を取り消すことができるようにして、その財産を守ろうという趣旨です。つまり、保護する必要性がある人を守るための制度です。

 

制限行為能力者は未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の四者です。

 

 

①未成年者(19歳以下)

アクアシューズを履く子供のイラスト

 

法律行為に保護者の同意が必要です。

未成年者を保護するために、同意のない法律行為は取り消すことができます。

 

ただし、単に権利を得たり、義務を免れる場合は未成年者に不利益にはならないので、未成年者が単独ですることができます。

 

負担付の遺贈の放棄は、財産的性格を有する行為ですので、保護者の同意を要します。

 

(成年)

第四条 年齢二十歳をもって、成年とする。

 

(未成年者の法律行為)

第五条 ①未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に利益を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

②前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

③第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

 

保護者とは・・・・法定代理人 (親権者・未成年後見人)

  

同意を与える相手 ・・・・未成年者本人または相手方

 

未成年が単独でした法律行為の取消し・・・・未成年者が単独で可能です。ただし、負担のない贈与や債務の免除など、未成年者にとって有利な行為は、取消しができません。

法定代理人には、取消権と追認権と代理権があります。

 

 

 

法定代理人が、未成年者の営業を許可する場合には、営業の種類を特定する必要があります。

 

八百屋のイラスト(建物)

 

許可をするについて種類を特定しないと、未成年者が広範な種類の営業をすることによって損失を被るおそれがあり、未成年者保護の趣旨に反するからです。

 

 

(未成年者の営業の許可)

第六条 ①一種または数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

②前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、またはこれを制限することができる。

 

 

 

 

②成年被後見人

 

 裁判所のイラスト 

 

成年被後見人とは、精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある人で、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人のことを言います。

 

成年被後見人は、後見人の同意を得て法律行為をすることができません。

未成年者の場合は、保護者(法定代理人)の同意があれば法律行為もできますが、成年被後見人は同意をもらっても、法律行為をすることはできないのです。

 

例えば、認知症で成年被後見人になっているおじいちゃんに、「この契約はしてもいいよ」と後見人の息子が同意しても、病気の特性上、契約締結時にはおじいちゃんは忘れてしまっています。

 

なので、代理によってしか法律行為は行うことができないのです。

(後見人には同意権がないとも言います。)

 

 

保護者・・・・成年後見人

(家庭裁判所で認められた者。 法人・2名以上でも可。 保佐人・補助人も同様 )

 

 

成年被後見人の行為は、日常生活に関する行為を除き、常に取消すことができる。(9条)

また事後的に、成年被後見人の行為を 「 取消し 」 or  「 追認 」する事は可能である。(120条1項・124条)

 

被成年後見人と成年後見人との利益が相反する行為については、成年後見監督人のある場合を除き、成年後見人はその成年被後見人のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。成年後見人がこれに違反してなした行為は無権代理行為となり、代理行為としては無効であり、本人に対して何ら法的効果をもたらすものではない。(大判大7.5.23

 

 

 

 

③被保佐人

 

被保佐人とは、精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分な者であって、家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた人のことです。

 

保護者(保佐人)の同意を得なければ出来ない行為が13条に定められています。

(例えば、貸金の返済を受ける、不動産等の売買契約、訴訟の原告になる・・・など、重要な財産行為です。)

 

 

被保佐人が単独でした13条の行為は、事後的に、保護者(保佐人)が取消し又は追認する事は可能です。 

 

 

保佐人(保護者)は代理権は基本的に有しませんが、保佐開始の審判請求をした人、または保佐人・保佐監督人の請求によって代理権を得ることもできます。

 

ただし、被保佐人以外の請求によって、上記の代理権を与える審判をする場合は、本人の自己決定権を尊重するため、本人の同意を得る必要があります。

 

 

保佐開始の審判の形式的要件が満たされた場合に、審判をすることが必要的か任意的であるかにつき必ず審判をすべきとするのが判例であるが(大判大11.8.4)、具体的状況により任意的とする裁判例もある。

 

被保佐人が銀行から金銭を借り受けた場合において、その債務を保証した者は、その当時債務者が保佐開始の審判を受けているかどうかに関わらず、被保佐人が締結した金銭消費貸借を取り消すことはできない。取消権者は120条に列挙された者に限定され、保証人はいかなる意味においても主たる債務者の承継人ではないから、120条によって取消権を認めることはできない。(大判昭20.5.21

 

 

  

 

 

④被補助人

 

被補助人とは、精神上の障害により事理弁識能力が不十分であって、家庭裁判所の補助開始の審判を受けた人のことです。

 

この補助開始の審判は、本人の請求でない場合は、本人の同意を要します。

 

被補助人になると、同意権・代理権の双方またはいずれかを保護者(補助人)に与え、法律により保護されることになります。

 

同意権の範囲は、保佐人と同じく13条の行為に限定され、追認権・取消権も同じ範囲で与えられます。

 

補助人に与えられる代理権の範囲は13条の行為に限定されません。

 

 

 

保佐人・補助人共通事項 

①保佐人・補助人に代わる同意を、本人の申請により、家庭裁判所が行う場合がある。

②複数の保佐人または補助人が選任された場合、家庭裁判所が権限の共同行使または分掌の定めをしない限り、それぞれが単独で保佐人・補助人として有する全ての権限を行使することができる。

③補佐開始の審判・補助開始の審判を請求するときは、必ずしもそれぞれの審判と共に代理権付与の審判をする必要はない。代理権を付与するかどうかは裁判所の任意であるからである。

 ただし、補助人に代理権を付与することを決定した場合には、同時にしなければならない。被補助人の行為能力の内容は、補助人の同意権と代理権を有する行為の範囲によって決定されることになるためである。

 

  

 

 

5.制限行為能力者と取引をする相手方の保護

 

例えば、未成年者と取引をしてしまった場合、相手方はこの契約が取消されるか、追認されるかわからない不安定な状態になります。できるだけ早く、どうするか知りたいですよね。

そんな相手方を保護する規定があります。

 

 ①催告権(20条)

足の早いウサギがメールを運ぶイラスト

 

1ヶ月以上の期間を定めて、追認するかどうか、決めてくださいと催告をすることができます。

 

ただし、意思表示の受領能力がない未成年者・成年被後見人の場合は、本人へは催告できません。代わりに、法定代理人や成年後見人に催告することになります。

 

ただし、未成年者が成年になったり、成年被後見人がその審判を取り消されて、判断能力を回復した後は、本人に対しても有効な催告をすることができます。

 

 

 

催告したのに、確答がない場合の効果は、以下のとおりです。

 

保護者への催告で確答がない場合 ⇒ 追認とみなす

 

制限行為能力者本人(被保佐人・被補助人)への催告で確答がない場合 ⇒ 取消しとみなす

 

 

 

②詐術を用いた制限行為能力者との取引(21条)

未成年者なのに「わたし20歳です」と嘘をついて契約した場合も、その相手方を保護する規定があります。      

そんな嘘つき未成年は保護に値しません。

 ニヒルな笑いのイラスト(男性)

 

 

【要件】

①制限行為能力者が、「行為能力者である or 保護者から同意を得ている」と詐術を用いた

 

②「誤信させるような積極的な陳述」or「黙秘と言動」により相手方を誤信させた

(「なる黙秘」だけで相手が誤信してもダメです)

 

③「制限行為能力者本人による言動」で、相手方が誤信したとき

(「第三者の言動」によって誤信した場合は除かれます)

 

詐術を用いたといえるためには、行為能力者であると誤信させるような陳述をしたことが必要であり、黙秘も他の言動などと相まって詐術に当たることもあるが、単純な黙秘は、原則として詐術にあたらない。(最判昭44.2.13

 

 

【効果】

取引が確定し、制限行為能力者は取消すことができなくなります。

 

 

 

 

  

6.任意後見制度

 

 かがんでお年寄りと話す人のイラスト

 

事理弁識能力が不十分になったときに備えて、委託契約を結ぶことができます。

公正証書による契約と、任意後見監督人を選任することで有効となります。

  

 

 

 

 

 

今日は、民法の総則を勉強しました。

お付き合いいただき、ありがとうございました( ;∀;)

では、また~!!